EC市場の拡大に伴い、物流センターにおける出荷量は年々増加しています。しかし、ピッキングや保管の工程では自動化(自動倉庫やAGVの導入)が進む一方で、梱包(パッキング)の工程は、いまだに作業員の経験と工夫に頼る手作業が中心となっている現場が少なくありません。配送料の高騰や資材費の値上がりが続く中、梱包プロセスの無駄をなくすことは物流コスト削減に直結します。そこで現在注目を集めているのが、梱包業務を支援・最適化する「梱包アシストツール」という新しいカテゴリのソリューションです。本コラムでは、梱包アシストツールの定義から、その種類、そして導入がもたらすメリットについてわかりやすく解説します。1. 梱包アシストツールとは? 梱包アシストツールとは、商品のピッキング後から出荷までの梱包プロセスにおいて、作業員の負担を軽減し、効率や品質を向上させるための機器およびシステムの総称です。捉え方によって、大きく広義と狭義に分けられます。広義|物理的な作業を代替・補助する「ハードウェア」を含む総称広義の梱包アシストツールは、段ボールの組み立てやテープ貼りといった「手作業(物理的な動作)」を自動化、または補助するマテハン機器全般を指します。例: 自動製函機(段ボールを立体にする機械)、自動封函機(テープを貼る機械)、緩衝材製造機、自動梱包ラインなど。目的: 作業スピードの向上、省人化。狭義|作業員の「判断」を支援・最適化する「ソフトウェア」一方で、近年急激にニーズが高まっている狭義の梱包アシストツールは、作業員の物理的な動きではなく、「頭脳(判断)」をアシストするソフトウェアやAIを指します。例: 箱サイズ最適化計算ツール、3Dパッキングシミュレーション(どの商品をどう詰めれば空間を無駄にしないか指示するシステム)など。目的: 属人化の解消、配送料の削減、梱包資材の最適化。ハードウェアの導入は大掛かりな設備投資とスペースが必要ですが、ソフトウェアの梱包アシストツールは、タブレット等の端末とシステムだけでスモールスタートできる点に大きな違いがあります。物流業務の梱包プロセスを見直しの際は、ソフトウェアをまずは検討しDX*につなげるといいでしょう。*DX(デジタルトランスフォーメーション):データやデジタル技術を駆使して業務プロセスを根本から変革することです。物流の梱包プロセスにおけるDX(梱包DX)では、物理的な作業の機械化にとどまらず、ソフトウェアによる「AIオートメーション」が重要になります。熟練作業員が行っていた「最適な箱の選定」や「詰め方」といった複雑な判断をAIが自動化することで、属人化の解消とコスト削減を実現します。2. なぜ今、梱包アシストツール(ソフトウェア)が必要なのか?物理的な自動化だけでなく、なぜソフトウェアによるアシストが求められているのでしょうか。それには現在の物流業界が抱える深刻な課題が背景にあります。配送料・資材費の高騰: 運送会社の運賃体系は、荷物のサイズ(容積)によって決まります。作業員が「とりあえず余裕のある大きめの箱に入れよう」と適当なサイズを選んでしまうと、段ボール内の空気(隙間)を運ぶために高い配送料を払い、無駄な緩衝材を消費することになります。箱サイズをワンサイズ小さくできるかどうかが、コスト差を生みます。小さなコストの差ですが、出荷件数が多い場合、年間数千万のインパクトになります。ベテラン経験への依存・属人化: 複数種類の商品を同梱する際、どのサイズの箱に、どう組み合わせれば隙間なく収まるか、充填率を高められるかは、ベテラン作業員の経験や工夫に依存しがちです。新人や短期アルバイトでは最適な判断ができず、箱が大きくなったり、箱選びや荷造りに時間がかかったりしてしまいます。梱包アシストツールは、こうした人間の判断のブレをシステムで標準化し、誰が作業しても最も安く・最も早く梱包できる状態を作り出します。3. 梱包プロセスを支援するツールの種類梱包アシストツールは、梱包プロセスのどの部分を支援するかによって使い分けられます。採寸・計量プロセス: 自動採寸計量器 ※コンベア上を流れる商品のサイズや重量を瞬時にデータ化するハードウェアとAIを活用しながら画像分析するソフトウェアがあります。判断プロセス(箱選定・詰め方): AIによる最適化ツール/3Dパッキング計算ツール(オーダー内容から最適な箱サイズを瞬時に計算し、モニターに詰め方を指示するツール) ※ともにソフトウェア作業プロセス(組み立て・封入): 自動製函機、自動封函機、隙間埋め用緩衝材ディスペンサーなど ※作業自体のプロセスはハードウェアが挙がります。判断に時間がかかっているのか、作業自体に時間がかかっているのか、といった自社の課題に合わせてこれらを選択、組み合わせることが大事です。4. まとめ:クイックな梱包DXで物流コストを削減これからの物流センターでは、ピッキングの自動化だけでなく、出荷の最終関門である梱包の最適化を避けては通れません。大規模な自動梱包機を導入するスペースや予算がない現場でも、作業員の判断を支援するソフトウェア型の梱包アシストツールであれば、既存のレイアウトのまま、すぐに効果を実感できます。株式会社ROMSが提供する「梱包アシストAI」はクラウド型でAIを搭載している、まさにこの狭義の梱包アシストツールに該当します。過去の出荷データや商品のサイズ情報を活用し、最も充填率が高く、最適なダンボール箱をAIが提案。新人でもある一定水準の品質・速度で梱包できるようになり、配送料や資材の削減を実現するDXソリューションです。物流現場を止めない、クイックな梱包DXにご興味がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。